ワンダープラネット

ワンダープラネット社に、「ThinkingData」を全社の共通データ分析基盤として採用いただいた背景をインタビューしました。  台湾&香港のGoogle Playストアにて「2016年度Google Playベストアトラクティブゲーム」にも選出され、2022年には全世界1400万DLも達成した、人気ゲーム「クラッシュフィーバー」を提供するワンダープラネット。「楽しいね!を、世界中の日常へ」を掲げ、グローバル規模のゲームを開発、リリースしています。 同社では、2022年12月に「ThinkingData」を全社共通のデータ分析基盤として導入いただきました。 今回、執行役員 VPoE 兼 EDMO室長である開 哲一(ひらき のりかず、※以下、開)とクラッシュフィーバーのデータ分析を担当する横山(よこやま)に「ThinkingData」導入の背景、成果、活用方法、そして今後の展望についてお話いただきました ーはじめに、お二人の業務上のミッションについて教えてください。 開  VPoE(Vice President of Engineering)としてエンジニア組織全体の統括をしています。また、全社横断の技術組織EDMO(エンジニアリング&デザインマネジメント室)の室長として、全社的な技術課題の解決や開発基盤の整備などを推進しています。 横山 私は、「クラッシュフィーバー」のデータ分析担当としてデータ抽出、データ分析、レポート作成などを担当しています。 ーThinkingData導入の背景について教えて教えてください。 開  導入前はクラウド型のDWHに保管されているデータをSQLを叩いてデータ抽出を行い、無料のBIツールを用いてダッシュボードを作成していました。また、主要KPIは別の有料ツールを導入して数値をトラッキングしていました。 全社横断の標準システムがなかったため、技術や知見が適切に引き継がれず、非効率的になっていました。例えば、新しいプロダクトのたびにデータのイベント設計をゼロから開発する、ETLのスクリプトが共有されておらずエンジニアの退職とともにブラックボックス化するなど様々な課題が発生していました。 KPIトラッキングに用いていた有料ツールのサービス終了がきっかけで、より汎用的かつ高度なデータ活用を推進できるツールを模索する中でThinkingDataと出会いました。 ーThinkingDataを選んだポイントはありますか? “このツールならいけると思って導入を一気に推進しました。” 開  全社の標準ツールとして、探していたのでかなり慎重になり、15以上のサービスを比較しました。選定にあたって最も重要な軸は「非エンジニアでも活用が出来そうか」という点です。データが全てだとは思いませんが、適切にデータを活用することで、会社全体の生産性が高まると信じています。そのため、誰もが活用できるツールであることは重要でした。 まさにThinkingDataは「誰もがアナリストになれる」をプロダクトフィロソフィーとして謳っていましたし、実際の画面を操作した際の手触り感も良く、製品自体に強い魅力を感じました。また、ThinkingDataはデータ収集、保管、可視化まで、ワンストップのソリューションであるため、運用コストも下がると感じました。データの更新速度もリアルタイムに近い速さで使い勝手が良いです。例えば、新規キャンペーンの初速をすぐに見ることができます。 最後に、課金形態も魅力的でした。他社のツールは、ユーザーアカウント単位で課金するケースも多く、全員にデータに触れて欲しいという想いと合いませんでした。また、DWHと併用することが多いため、クエリ単位で追加課金されることもあり、コストを意識しながら分析をしなければいけません。そうすると分析回数や使うデータボリュームも節約するようになり、本末転倒だと感じます。 最終的には感覚的なところもありますが、このツールならいけると思って導入を一気に推進しました。 ー導入後、現場で実感されているThinkingDataの効果はありますか? “出し戻し作業や単純作業が減り、より専門性の高いデータ分析に時間が使えるようになりました。” 横山  ThinkingData導入以前は、プランナーからデータ抽出の依頼があった際、SQLを書くことが多く、抽出に手間がかかっていました。さらに、抽象的な依頼も多く、出したレポートやデータが結果として意に沿わないことが多発。データの再抽出などの出し戻しが多く、余計な工数がかかっていました。しかしThinkingData導入後、ノーコードで分析できるため、プランナーが自分自身でデータをいじるようになりました。結果として、出し戻し作業や単純作業が減り、より専門性の高いデータ分析に時間が使えるようになりました。 ー全社としての所感はいかがでしょう? 開   横山が話した内容と似ていますが、アナリストじゃないプランナーやプロデューサーの方々もダッシュボードを使い始めており、かなり手応えを感じています。以前使っていたBIツールですと使い勝手の関係で全社的な推進は困難でしたが、ThinkingDataを導入したことでビジネスサイドでデータを触る風潮が浸透しているように感じています。 ー特に気に入っている機能はありますか? 開   様々ありますが、グローバルでの収益管理という観点で、為替換算機能やタイムゾーンの変換機能は便利です。日々変わる為替レートを加味して国外売上を日本円に変換するのは手間でしたが、ThinkingDataではそれが自動化されるため、手間なくグローバルの売上が把握できます。 <サンプルデータを用いたThinkingDataの実画面> また、全社導入しているため、すべてのゲームタイトルの指標を同じグラフに重ねて見れるのも非常に助かっています。KPIを重ねて見れることで、ゲームタイトル間の差や会社全体のKPI進捗が把握しやすくなりました。またデータの更新速度も早いため、新規施策の初速をタイムリーに追うことができ、またワンクリックで累計グラフを出すこともできるため、どこまで売上が立っているかもすぐに確認できます。 <サンプルデータを用いたThinkingDataの実画面> 横山  私は特にダッシュボードの使いやすさが気に入ってます。以前はダッシュボードに表示するデータの柔軟性がなかったため都度元データの修正や整備が必要でした。しかし、ThinkingDataのダッシュボードは、全体のデータ表示期間が変更できる、特定の条件でフィルターをかけられるなど柔軟性が高く、同じダッシュボードを複数のチームやメンバーに展開することができます。 <サンプルデータを用いたThinkingDataの実画面> ー現場を見られている横山さんの中で今後やりたいこと、実現したいことはありますか? 横山  ThinkingDataのおかげで、業務が効率化されつつあります。その空き時間で今後はより高度な分析を通して価値を創出したいと考えています。例えば今やりたいことの中にクラスタリング分析があります。クラッシュフィーバーはリリースから7年以上経っています。古参ユーザーと直近の新規ユーザーを比較しながら、ゲームの改善につながる示唆を見つけていきたいです。 また、活用したい機能として例えばフロー分析があります。フロー分析では、特定イベント間の遷移を時系列で見ることができますので、ユーザーセグメント別にゲーム内の行動がどのように違うのか見ていきたいです。 <サンプルデータを用いたThinkingDataの実画面> 他には、ファネル分析もあります。イベント間での離脱率が見れるため、例えばチュートリアルにおいてユーザーがどの時点でプレイを辞めているのか分かります。弊社では、ゲームの進捗度に合わせて5つのチュートリアルステージを用意しています。どのステージでの離脱率が高いのか見ながらチュートリアルを改善していくなどの活用法を考えています。 <サンプルデータを用いたThinkingDataの実画面> 以前はこういった分析を行うにはSQLを用いたデータ抽出が必要でしたが、ThinkingDataであればノーコードで実現できます。まだまだ、やれることはあると思っていまして、これから活用法をもっと考えていきたいです。 ー開さんとしてはいかがでしょうか? 開   まだまだThinkingDataを導入したばかりですので、やりたいことはたくさんあります。これからの新作ゲームでは、ThinkingDataの活用を前提にデータ設計を行う予定です。その中で、社内における活用のベストプラクティスを見つけながら社内に広めていきたいと考えています。 また、既存ゲームに関しても、既存業務に悪影響を起こさない形で少しずつ代替をしていく予定です。「誰もがデータを活用できる」環境を構築して、データと人の力を組み合わせてゲームの改善を進め、未来につながるユーザーを惹きつけ続けるゲーム体験を作っていきたいです。 ーお二人ともありがとうございました